
1. 私にとって「仕事ができる」とは何か
私は、元ぽんこつ看護師です。
看護師という鎧を背負っている以上、離職しても、別の時間を過ごしていても「稼働」という大きな責任を持って生きているような感じがします。看護師は、優しい白衣の天使といわれたり、頼れる存在だったり、世間一般的には良い印象があるようです。
2. 看護師になった理由と正義感
実際、私はなぜ看護師になろうと思ったかはわかりませんが、元々「正義感」が強い子供だったそうです。
困っている人を放って置けなかったり、道端で血を流している人と遭遇した時、怖いとも感じずに冷静に対応できる自分が看護師に向いているはずだと思ったかもしれません。
3. チーム医療と「責任」「リーダーシップ」
看護師はチーム医療で命を繋ぐ橋渡しのような存在であり、そこには密な人間関係が蜘蛛の糸ごとく連なります。それを臨機応変に瞬時に判断し、体を動かしていく必要があります。
仕事ができるとは、ひとつひとつの処置を丁寧に冷静にできることだけではありません。目の前のことを円滑に回し、絶え間ない患者を退院へ導くチームを作動させることが重要です。それを実現するため、看護師ひとりひとりが資格を持つ以上、「責任」「リーダーシップ」という勲章を意識することが大切だと学びました。
これは看護師に限らず、すべての職種にも当てはまると思います。「責任=やる気」「リーダーシップ=積極性」を持つことが、チームに貢献し、仲間として認められる条件になるのです。
4. 自分の性格と向き不向き
私は社内ニートを何度も経験してきました。きっと、必要な能力が不足していて、仲間から排除される存在だったことは間違いありません。しかし、どんな仕事もやる気がなかったわけではありません。メモを取り、わからないことは何度も聞いていました。
ただ、今思えば、私の性格のためか視野が狭いのです。聞いたことやその日学んだことをパターン化して記憶しても、応用が効きません。その日学んだことをそのまま翌日も活用するだけになってしまうのです。応用とは、学んだことに自分の考えや振り返りを加え、実行することだと思います。しかし、それがどうしてもできないことに最近やっと気づきました。
5. 困難なことの整理
私は残念ながら、責任やリーダーシップを持つ能力に負担を感じるため、努力しても時間がかかり生活に影響が出ます。その結果、退職勧奨されたり社内ニートになることもありえます。
そこで、まず長く仕事を続けるために「困難なこと」を整理しました。
- チームで仕事をすることに向いていない
- スピードを求められる仕事や判断が必要な仕事に向いていない
- 時間外や仕事以外のことに仕事がぶっ込まれる環境に向いていない
- 残業や他人の仕事量と比べられる環境に向いていない
- 人のペースに合わせる仕事に向いていない
6. 私の特性と向いている仕事
以前、精神科で自分の特性を調べてもらいました。その結果、「苦手を努力で克服するより、得意を活かせる環境を選ぶ方が続けられる」と気づきました。整理してみます。
得意なこと
・同じ作業を正確に、コツコツ繰り返すこと
・手先を使う細かい作業や、見たものを整理して覚えること
・図や実物など、目で見て理解すること
苦手なこと
・試行錯誤しながら覚えること
・会話や音声で情報を処理すること
・同時にいくつものことを考えたり、急な変化に対応すること
つまり私は、「目で見て理解できる」「手を動かす」「一人で集中できる」仕事が合っているのだと思います。
たとえば、軽作業・POPづくり・レジ・ラッピングなど。手順が決まっていて、成果が目に見える仕事なら自然と続けられます。現に、ドラッグストア店員は長く続きました。
苦手な環境で無理をするより、得意な形で力を発揮できる場所を選ぶ。私は、自分がありのままでいられるような職場を探し続けたいと思います。
7. 結論:「継続できること」は自分を知ることから始まる
今の仕事でチームに信用されなかったり、成長を感じられず飽きてしまったとしても、それは“ダメな人”だからではありません。
責任やリーダーシップに疲れたなら、一度立ち止まって「合う働き方」を探せばいい。憧れや給与で仕事を選ぶのも大事ですが、続けられなければ意味がない。
自分の特性を知り、時には自分の仕事に対する条件を見直し、自分が疲れない環境を選択することが「継続」への近道かもしれません。
まとめ
- 「仕事ができる人」の定義は、人によって異なる
- やる気やリーダーシップが苦手でも、向いている働き方を選べばよい
- 自分の得意・苦手を理解し、適した環境で力を発揮する
- 「継続できること」が自分に合った働き方の指標